KRE·Appraisal
借地権

借地権はいくらで売れる?価格の決まり方と売却の進め方

借地権はいくらで売れるのか。借地権割合による価格の決まり方、地主・第三者・買取業者への売却先の違い、譲渡承諾料の目安、鑑定評価で適正額を把握する方法を奈良の鑑定士が解説します。

借地権公開: 9分で読了著: 吉田 健人

「親から受け継いだ家が借地の上に建っている。売りたいけれど、そもそも借地権っていくらで売れるのだろう」——奈良県内でご実家を相続された方から、当事務所がよくいただくご相談です。

借地権(他人の土地を借りて建物を所有する権利)は、土地そのものを持っているわけではないため、価格の考え方が一戸建てとは異なります。しかも売却先によって手取り額が大きく変わり、地主の承諾という壁もあります。この記事では、借地権の価格がどう決まり、どう売り進めればよいのかを整理します。

1. 借地権価格は「借地権割合」で見当をつける

借地権にも財産的な価値があり、単独で売買の対象になります。まず目安を知るための出発点が借地権割合です。

借地権割合とは

借地権割合とは、更地価格(土地を完全に所有している場合の価格)のうち、借地権が占める割合のことです。国税庁が公表する路線価図に、A(90%)〜G(30%)の記号で地域ごとに示されています。

奈良県内では、奈良市中心部の商業地で70%前後、郊外の住宅地で50〜60%程度が多く見られます。たとえば更地価格2,000万円の土地で借地権割合が60%なら、借地権価格の目安は約1,200万円です。

あくまで「目安」であることに注意

ただし借地権割合はあくまで税務上の目安です。実際の売買では、地代の水準、契約の残存期間、建替えの自由度、地主との関係などで価格は上下します。地代が相場より高ければ買い手にとって負担となり、価格は下がる方向に働きます。実勢に即した金額を知るには、後述の鑑定評価が有効です。

2. 売却先で手取りが変わる——3つのルート

借地権の売り先は大きく3つに分かれます。それぞれ価格水準と手続きの負担が異なります。

ルート1:地主に買い取ってもらう

地主に借地権を買い取ってもらえれば、地主は完全な所有権(更地)を回復できます。地主にとってもメリットが大きいため、条件次第では第三者売却より高く売れることがあります。承諾料の問題も生じません。まず地主の意向を打診するのが順序として自然です。

ルート2:第三者に売る(地主の承諾が必要)

第三者に売る場合は、後述の譲渡承諾が必須です。市場価格に近い水準で売れる可能性がある一方、買い手は借地であることを嫌う傾向があり、所有権物件より流通性は落ちます。

ルート3:買取業者に売る

借地権を専門に扱う買取業者に売る方法です。手続きの負担が軽く、現金化が早い反面、業者は転売益を見込むため、価格は市場価格の7〜8割程度に下がるのが一般的です。急いで手放したい場合の選択肢です。

売却先価格水準の傾向手続きの負担
地主高くなりうる軽い(承諾料不要)
第三者市場価格に近い重い(承諾が必要)
買取業者やや低め(7〜8割)軽い(早い)

3. 避けて通れない「地主の承諾」と譲渡承諾料

借地権を第三者に売るには、地主の承諾を得るのが原則です(借地借家法)。ここでつまずく方が少なくありません。

譲渡承諾料の目安

承諾を得る際には、慣習として譲渡承諾料を支払います。奈良県内の実務では、借地権価格の10%程度が一つの目安です。先の例(借地権価格1,200万円)なら、承諾料は約120万円となり、その分だけ手取りが減ります。

地主が承諾しないとき

地主がどうしても承諾しない場合は、裁判所に「借地非訟」という手続きを申し立て、承諾に代わる許可を求める道もあります。ただし時間と費用がかかるため、まずは丁寧な交渉で合意を目指すのが現実的です。

4. 鑑定評価で「適正額」を押さえてから動く

借地権価格は目安が立てにくく、地主・買い手・業者のいずれとの交渉でも、根拠のない希望額では足元を見られがちです。

不動産鑑定士による鑑定評価書(鑑定士が基準に沿って適正価格を判定した公的文書)があれば、借地権割合だけでは表せない個別事情を反映した金額を、客観的な根拠として示せます。当事務所は奈良県内の借地権について、地代水準や契約条件を踏まえた評価をご提供しています。借地権売却の実務は借地権・底地の鑑定、売却全般は売却のための鑑定もあわせてご覧ください。

なお、譲渡に伴う税金(譲渡所得税など)の具体的な計算や節税の可否は税務判断を伴います。最終的には税理士にご確認ください。

まとめ

  • 借地権価格の出発点は借地権割合。ただし実勢は個別事情で上下する
  • 売却先は地主・第三者・買取業者の3つ。手取りが変わるので比較を
  • 第三者売却には地主の承諾と承諾料(借地権価格の10%程度)が必要
  • 動く前に鑑定評価で適正額を押さえると交渉が有利になる

奈良県内の借地権について「いくらで売れるのか」「どのルートが得か」でお悩みなら、初回のご相談は無料です。ぜひ一度、お問い合わせからお気軽にご相談ください。

tags:# 借地権# 売却# 借地権割合# 譲渡承諾料# 底地
shareXLINE
free consultation

まずは、お気軽にご相談ください。

初回相談・お見積りは無料です。「鑑定が必要かどうか」からご相談いただけます。

受付 平日 9:00-18:00 / Zoom・電話・メール対応可

電話で相談無料相談を申込む